しろねこらぼ(旧)

しろねこの気まぐれ技術日記

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

因数分解と零点

中学生のころに学ぶ因数分解とは \begin{align} (x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab \end{align} のように式を積の形で表す操作である。上の例ではが因数に当たる。このような式の段階では分かりづらいが、方程式が出現してからはその有用さは明らかである。 次のよう…

ボード線図作図のためのゲイン線図と位相線図

二次遅れ系の伝達関数 \begin{align} G(s)=\dfrac{K}{Ts+1} \end{align} を例に、ゲイン線図と位相線図からなるボード線図を作図する。 はじめにとしてフーリエ変換すると \begin{align} G(j \omega)&=\dfrac{K}{1 + j \omega T } \end{align} また、このシ…

ばねマスダンパ系の状態方程式

ばねマスダンパ系の状態方程式を導出する。 まず、ばねマスダンパ系の運動方程式は \begin{align} M \ddot{x}(t) + C \dot{x}(t) + k x(t) = f(t) \end{align} ここでは質量、は減衰係数、はばね定数、は変位である。 はじめに \begin{align} x_{1}(t) = x(t…

制御偏差と定常偏差

フィードバック制御系において目標値が変化したり外乱が加わると制御量が変化する。制御量は出力とも呼ばれ、制御量と目標値の差は(制御)偏差と呼ばれる。 適切に設計されたフィードバック制御系であれば徐々に偏差は減少するが、定常状態となった後にも残…

pandasを使ったcsvファイルの読み込み

pandasを使ったcsvファイルの操作が思いのほか使いやすかったので残しておく。 pandasがインストールされている環境で import pandas as pd df = pd.read_csv('FILEPASS/FILENAME.csv',encoding = 'cp932',usecols=[2]) print(df) とすればcsvファイルの2列…

二次遅れ系の過渡応答の極大極小値

前回二次遅れ系の伝達関数 \begin{align} G(s)=\dfrac{\omega_{n}^2}{s^2 + 2 \zeta \omega_{n} s+ \omega_{n}^2} \end{align} についての行過ぎ量を求める式 \begin{align} f(t) = 1 - (-1)^n e^{ -\zeta \dfrac{n \pi }{\sqrt{1-\zeta^2}} } \hspace{5mm} …

二次遅れ系のインディシャル応答と行過ぎ量

次のような二次遅れ系の伝達関数 \begin{align} G(s)=\dfrac{\omega_{n}^2}{s^2 + 2 \zeta \omega_{n} s+ \omega_{n}^2} \end{align} について、不足振動となるの行き過ぎ量を考える。 この場合の応答は \begin{align} y(t)=1-\dfrac{e^{- \zeta \omega_{n} …

回転行列の固有値と固有ベクトル

軸周りの回転を表す回転行列 \begin{align} \textbf{C}_{x}(\boldsymbol{η}) = \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0\\ 0 & \cos \phi & \sin \phi \\ 0 & -\sin \phi & \cos \phi \end{pmatrix} \end{align}の固有値は \begin{align} \begin{vmatrix} t-1 & 0 & 0\\ 0…

RLC直列回路の共振周波数

直列回路の共振周波数を求める。直列回路のインピーダンスは \begin{align} Z=R+j \left ( \omega L - \frac{1}{\omega C} \right ) \end{align} 共振の条件は= 0]より \begin{align} \omega L - \frac{1}{\omega C} & = 0\\ \omega^2 L C &= 1 \end{align} …

最終値の定理

時間関数について、の値をラプラス変換により得られた結果より直接求める場合最終値の定理を用いると便利である。 \begin{align} \int_{0}^{\infty} \dfrac{dx(t)}{dt} e^{-st} dt = sX(s) - x(0) \end{align} 左辺について次のような極限 \begin{align} \li…

初期値の定理

時間関数について、の値をラプラス変換により得られた結果より直接求める場合初期値の定理を用いると便利である。 \begin{align} \int_{0}^{\infty} \dfrac{dx(t)}{dt} e^{-st} dt = sX(s) - x(0) \end{align} 両辺の極限をとって \begin{align} \lim_{s \to…

オイラー角を用いた回転表現

空間に置かれた剛体の回転について考える。今、剛体の姿勢をを用いて \begin{align} \boldsymbol{η} = \begin{pmatrix} \phi \\ \theta \\ \psi \end{pmatrix} \end{align}と定義する。ここではRoll、Pitch、Yawそれぞれの角度を示している。剛体の回転は独…

itコマンドによる斜体指示の問題点と解決策

はてなブログで数式を書く際、などについてはTeXのコマンドを使うことができないので\it{μ}などと記述する。しかしこの方法は \begin{align} \it{μ}^2 \end{align} となり、不具合が生じる。これはitコマンドが1993年にリリースされた LaTeX2e の New Font S…

正実性と強正実性

伝達関数 \begin{align} G(s)=\dfrac{K_{p} (s - \it {σ}_{1})(s - \it {σ}_{2}) \cdots (s - \it {σ}_{m})}{(s - \lambda_{1})(s - \lambda_{2}) \cdots (s - \lambda_{m})} \end{align} について、実部と虚部をとすると \begin{align} G(s)=M+jN \end{alig…

ガウス分布とデルタ関数

制御工学ではインパルス応答など呼び方は異なるが、デルタ関数を用いる機会が多い。デルタ関数とは \begin{align} \delta(s)=\begin{cases} \infty \hspace{3mm} &(x=0)\\ 0 &(x \neq 0) \end{cases} \end{align} で定義される超関数である。 ガウス分布は正…